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結核は過去の病気ですか?

[2019.03.10]

〇結核は過去の病気ではありません

2017年でも日本において約1万6千人の方が新たに結核を発症しています。世界からみても日本は欧米の先進国と比べて結核発症率は3倍くらい高いのが現状です。

〇結核はどのようにしてかかりますか?

結核においては「感染」と「発病」は区別して考える必要があります。結核を発病している方のくしゃみや咳の中には結核菌がまぎれこんでいることがあり、周囲の方が吸い込むことにより結核菌は体の中へ入り込みます。多くの場合には体の免疫力によって体に入ってもすぐに排除されます。排除されずに結核菌が気管支から肺にまで入り込むと「感染」です。ただし結核菌が感染してもほとんどの場合は免疫細胞に封じ込められて、結核菌は体の中で冬眠状態に入ります。一生冬眠していれば体へは悪さもしませんし、ほかの人へうつることもありません。年をとったり疲れがたまったりして体の免疫力が低下すると結核菌は冬眠から目覚めます。この状態が「発病」です。発病してはじめて症状が出て、さらに進行するとくしゃみや咳を介して人にうつる可能性があります。

〇結核になるとどのような症状がでますか?

咳、痰(時に血の混ざった痰)、胸の痛み、発熱、寝汗、体重の低下などいろいろな症状がでることがあります。

〇結核が疑われたらどのような検査をしますか?

結核を疑ったらまず痰を採取します。顕微鏡で菌がいるか調べたり、痰を使って結核の遺伝子検査をしたり、培養といって痰の中から結核菌が発育してこないか調べます。痰が出ない場合や、痰の検査は問題なくても結核が疑われる場合は内視鏡で肺のなかの細胞や組織を採取してさらに調べます。

〇結核の診断が遅れるのはどうしてですか?

時々かなり進行した状態でみつかることがあります。医療側に原因がある場合と患者さん側に原因がある場合があります。医療側の原因としては、結核を発病した患者さんが咳や痰などの症状を訴えて医療機関を受診しても、結核の可能性を頭にいれておかないと風邪と診断してしまうことがあります。もちろん咳や痰などの症状の場合には圧倒的に風邪のケースが多く、最初から結核を疑い精密検査をすることはありません。ただし症状が2週間以上長引く場合には結核の可能性も入れて診療にあたるべきです。

逆に患者さんに原因がある場合としては、咳や痰が2週間以上続いても風邪が長引いているだけと思い込みなかなか医療機関を受診されないことがあります。痰に血が混じったり寝汗をかくようになっていよいよおかしいと思い、受診したときには進行した結核だったというケースがあります。

 

結核にはこれといった特徴的な症状はありません。咳や痰が長引く場合には風邪と思い込まず、医療機関を受診されることが重要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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