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睡眠時無呼吸症候群について

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠中に呼吸が止まるために色々な症状や合併症がでる病気です。睡眠時無呼吸症候群は閉塞型と中枢型の2つに分けられます。閉塞型は睡眠時に空気の通り道である上気道が閉塞して呼吸が止まってしまいます。中枢型は上気道の閉塞ではなく、脳などの中枢神経に異常があり夜間に無呼吸になります。

睡眠時無呼吸症候群の原因について

中枢型は脳の病気を持っている方や心不全の方に認められます。閉塞型は肥満、扁桃肥大、舌が大きい、もともと顎が小さい骨格をしている方などに認められます。

睡眠時無呼吸症候群の症状について

症状としてはいびき、起床時の頭痛、日中の眠気、だるさ、夜間の頻回なトイレなどがあります。日中の眠気により居眠り運転や交通事故を起こすこともあります。

 

睡眠時無呼吸症候群の診断について

携帯型装置による簡易検査や睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行います。簡易検査では鼻に気流センサーをつけ、呼吸をしていないか、あるいは呼吸が弱くなっていないか調べます。指に酸素モニターも装着し夜間の体の酸素濃度も一緒に調べます。自宅で検査ができます。中枢型睡眠時無呼吸症候群が疑われる方や閉塞型睡眠時無呼吸症候群でさらに精密検査が必要な場合には睡眠ポリグラフ検査(PSG)を行います。簡易検査の項目に加えて脳波や心電図、筋電図、眼球の動きなどを測定することにより睡眠の深さや睡眠の質まで詳しく分かります。こちらは病院での一泊入院が必要です。当院では閉塞型が疑われる方ではまずは自宅での簡易検査を行い、さらに精密検査が必要な場合には睡眠ポリグラフ検査(PSG)ができる病院をご紹介し検査を受けていただきます。

このような検査で1時間あたりの無呼吸と低呼吸を合わせた回数であるが5以上である場合に睡眠時無呼吸症候群と診断します。AHIが5~15が軽症、15~30が中等症、30以上が重症と分類されます。

睡眠時無呼吸症候群の合併症について

睡眠時無呼吸症候群の患者さんでは高血圧、心臓病(不整脈、虚血性心疾患、心不全など)、脳血管障害、糖尿病などが合併しやすいです。また重症で治療を受けていない方は無呼吸症候群がない方と比べて死亡率も数倍高くなります。このように睡眠時無呼吸症候群は眠気などの症状以外に健康に大きく影響します。

睡眠時無呼吸症候群の治療について

①CPAP療法

Continuous Positive Airway Pressureの略です。鼻にマスクを装着します。呼吸に合わせて小型の機器からチューブ、マスクを介して気道に空気の圧がかかります。このため閉塞していた上気道が開くようになり、無呼吸を防ぎます。簡易検査で無呼吸低呼吸指数(AHI)が40以上の重症の方、または睡眠ポリグラフ検査(PSG)でAHIが20以上ある場合に適応となります。

使い始めは空気の圧がかかるので違和感を感じることもありますが、使用を継続していくと徐々に慣れてきます。違和感がどうしても続く場合には、経過中マスクの種類や大きさの変更、空気の圧力の調整を行うこともあります。CPAP療法にて睡眠時無呼吸症候群が良くなると眠気などの自覚症状の改善のほかに、高血圧などの合併症の改善や死亡率の低下、交通事故のリスクの軽減にも期待ができます。ただし気道に圧をかけて無呼吸を治す対症療法であるため、使用をやめるとまた元の状態に戻ります。このため継続的な使用が必要となります。日中の眠気など自覚症状の改善や、高血圧や心臓病などの発生抑制には少なくとも1日4時間以上のCPAP治療が必要と言われています。

 

②手術

扁桃腫大などが原因の場合には扁桃摘出術、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術などの手術を行うことがあります。

③マウスピース

マウスピースにより下あごを前に出すことによって気道の閉塞が軽くなり、睡眠時無呼吸症候群が軽快します。睡眠時無呼吸症候群が軽症の方、またどうしてもCPAP療法ができない方などが対象となります。マウスピースの作成は歯科や口腔外科の医院に紹介して作成していただきます。

④生活習慣の改善

ダイエット(肥満は上気道の閉塞の大きな原因です)、夜遅い時間の飲酒を控える(お酒はのどの筋肉がゆるんでしまい、睡眠時の無呼吸が悪化します)、横向きに寝る(重力の関係で仰向けに寝るよりも気道の閉塞が軽くなります)などの生活習慣の改善や工夫も大事です。

 

睡眠時無呼吸症候群は眠気などの症状のほかに生活習慣病の悪化にも深く関係します。日中いつも眠い、いくら寝ても疲労感が取れない、家族や友人からいびきが大きいと言われる、などが当てはまる方は医療機関に相談しましょう。

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