RSウイルスワクチンについて
2024年から60歳以上の成人の方にRSウイルスワクチンが使用できるようになりました。
RSウイルスにかかるとどうなるの?
RSウイルスには2歳までにほとんど方がかかり、その後も一生にわたって何回も感染を繰り返します。症状としては発熱、鼻汁、咳などいわゆる「かぜ症状」でほとんどの場合には数日で自然に良くなります。ただし生後6か月以内の乳幼児ではかかると気管支炎や肺炎に至り重症化することがあります。また気管支ぜんそくや慢性閉塞性肺疾患(COPD)など肺の病気を持っているご高齢の方もかかると重症化して肺炎になったり、もともとの肺の病気が急に悪化する可能性があります。RSウイルスそのものを退治する治療薬は今のところありません。解熱剤や咳を抑える薬の使用など対症療法が基本となります。
RSウイルスを予防するには?
インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスと同じく、手洗いや換気、必要時のマスクの使用など一般的な感染予防が基本になります。
RSウイルスワクチンについて
2024年から60歳以上の方に対してRSウイルスワクチンが使用できるようになりました。接種により、60歳以上の成人においてRSウイルス感染による下気道疾患の初回発現に対する有効性は82.6%と報告されています。
副反応としては注射部位の痛み、腫れ、注射部位以外では発熱、頭痛、疲労、筋肉痛、関節痛などがあります。重大な副反応としてアナフィラキシーがありますので、接種後は30分程度は院内にて経過観察が必要になります。
ワクチンは接種した方がいいのでしょうか?
RSウイルスはほとんどはかぜ症状のみで自然に治りますので、全ての60歳以上の方にワクチンが必要とは今のところは思いません。ご高齢で進行したCOPDや気管支ぜんそくなど肺の病気、慢性的な心臓の病気を持っている方は感染により重症化のリスクがありますので接種を検討されるのが良いと考えます。
当院でも接種可能ですので、接種をご検討の方や打った方がいいのか気になる方は診察の際にお気軽にお声掛けください。