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ハチミツが咳に効くのは本当ですか?

[2020.11.08]

はじめに 1歳未満のお子さんの場合にはハチミツを摂るとボツリヌス毒素症を起こす可能性があるため絶対に与えないでください。

 

気温が下がり始め、風邪をひかれる方が多くなってきました。風邪をひくと鼻水、鼻づまり、喉の痛み、痰、だるさなどのつらい症状が出ますが、咳は長引くことが多くやっかいです。咳でなかなか眠れない、咳のしすぎで胸が痛いなどつらい思いをすることもあります。風邪による咳の場合には咳止めのお薬で咳を抑えつつ、風邪が治るのを待つしかないですが、咳止めを飲んでも十分な効果が得られないことも多いです。お薬以外で咳を鎮めるいい方法はないでしょうか?ハチミツは以前から咳を軽くすると言われています。今回は咳に対するハチミツの効果を調べた研究をご紹介します。

 

①急性上気道炎による咳をきたしている小児(2歳~18歳)を対象に「ハチミツを摂るグループ」と「咳止め薬を飲むグループ」、「何もせず様子をみるグループ」の3つに分けて夜の咳の頻度などがどうなったかを調べた研究[1]

105人の上気道炎で咳が出ている小児の患者さんのうち、35名を「ハチミツグループ」、33名を「咳止めグループ」、37名を「経過をみるだけグループ」に分けています。どのグループも初日は何もせず1晩過ごし、2日目の夜に「ハチミツグループ」はハチミツを、「咳止めグループ」はハチミツフレーバー入りの咳止め薬を飲んでもらい、咳などの様子を親御さんが評価しました。結果としては「ハチミツグループ」では咳の頻度が「経過をみるグループ」より明らかに改善していました。「咳止めグループ」と「経過をみるだけグループ」では明らかな差は認められず、また「ハチミツグループ」と「咳止めグループ」の比較でも明らかな差は認められませんでした。

以上から少なくとも咳止めのお薬と同じくらいの咳止め効果がハチミツにはありそうです。ちなみにこの論文ではそばハチミツ(Buckwheat honey) をハチミツグループで使っています。

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そばハチミツ以外のハチミツでは効果はどうなのか?という疑問に対しては次の論文があります。

 

➁3種類のハチミツグループとナツメヤシエキスグループに分けて小児の上気道炎による夜間の咳止め効果を調べた研究。[2]

この研究では1歳~5歳までの上気道炎による咳がでている小児患者さんを対象に、ユーカリハチミツグループ(eucalyputus honey)、シソ科ハチミツグループ(labiatae honey)、シトラスハチミツグループ(citrus honey)、ナツメヤシエキスグループに分けています。前の研究と同じように1日目は何もせず1晩過ごし、翌日の寝る30分前にそれぞれに決められたハチミツかナツメヤシエキスを10g摂取してもらいました。64名が「ユーカリハチミツグループ」に、62名が「シトラスハチミツグループ」に、73名が「シソ科ハチミツグループ」に、71名が「ナツメヤシエキスグループ」になり、3つのハチミツグループでは全てナツメヤシエキスグループより咳の頻度の改善が認められました。また小児患者やその親御さんの睡眠状態も全てのハチミツグループでナツメヤシエキスグループより良く眠られた結果が出ました。3つのハチミツグループ同士では咳の頻度の改善度合いには差は認められませんでした。

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以上からハチミツの種類に問わず咳を抑える効果はありそうです。

 

ハチミツには少なくとも180の成分が入っていて抗酸化作用や抗菌作用を有しており、これらの作用が咳を抑える理由ではないかと推測されています。もし風邪の咳がなかなか治らない場合には寝る前などにハチミツを少量摂取するのも1つの方法ですのでぜひ試してみてください。

 

参考文献

[1] Effect of honey, dextromethorphan, and no treatment on nocturnal cough and sleep quality for coughing children and their parents.  Arch Pediatr Adolesc Med. 2007 Dec;161(12):1140-6

[2] Effect of honey on nocturnal cough and sleep quality: a double-blind, randomized, placebo-controlled study. Pediatrics. 2012 Sep;130(3):465-71. doi: 10.1542/peds.2011-3075.

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