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色々な種類があります、糖尿病の治療薬(内服)について

[2021.10.02]

糖尿病治療の基本は食事療法、運動療法です。しかし食事運動療法を行っても十分に改善しない場合には、お薬の力も借りることになります。糖尿病の治療薬には色々な種類があります。今回は糖尿病のお薬について、それぞれの特徴などを解説いたします。

はじめに。インスリン分泌促進系、インスリン分泌非促進系に分けられます。

血糖値は膵臓から分泌されるインスリンにより低下します。糖尿病のお薬には膵臓からのインスリン分泌を促すことにより血糖値を下げるタイプ(インスリン分泌促進系)とインスリン分泌以外の作用で血糖値を下げるタイプ(インスリン分泌非促進系)に分けられます。

インスリン分泌促進薬にはDPP-4阻害薬、GLP-1受動体作動薬、スルホニル尿素薬、速攻型インスリン分泌促進薬があります。インスリン分泌非促進薬にはビグアナイド薬、チアゾリジン薬、αグルコシダーゼ阻害薬、SGLT2阻害薬があります。なんだかカタカナやアルファベットばっかりでイヤになりそうですが、ひとつひとつどういったお薬かみていきましょう。難しいところは飛ばして読んでいただいてかまいません、気楽に読んでいただければと思います。

DPP-4阻害薬

ジャヌビア、グラクティブ、エクア、ネシーナ、トラゼンタ、テネリア、スイニー、オングリザ、ザファテック、マリゼブ

食事をして食物が小腸を通過するとインクレチンというホルモンが分泌され、インクレチンは膵臓からインスリン分泌を促します。しかしインクレチンはDPP-4という酵素ですぐに分解されてしまいます。せっかくいい働きをしてくれるインクレチンですが、すぐに分解されてなくなってしまいます。DPP-4阻害薬はDPP-4の働きを抑えることによりインクレチンが分解されにくくなります。インクレチン濃度が上がることにより、膵臓からのインスリン分泌がより促進され血糖値を下げてくれます。

この薬剤の良いところは低血糖などの副作用が少なく、ご高齢のかたでも使用しやすいことです。また1週間に1回の内服でよいタイプ(ザファテック、マリゼブ)も発売されています。

GLP-1受容体作動薬

リベルサス

上に述べた小腸から分泌され膵臓からのインスリン分泌を促すインクレチンという酵素があります。このインクレチンの1つがGLP-1という酵素です。GLP-1は膵臓にあるGLP-1受容体にくっついて膵臓を刺激しインスリン分泌を促進します。GLP-1自体はDPP-4によりすぐ分解されてしまうのですが、GLP-1受容体作動薬はGLP-1と同じように膵臓のGLP-1受容体を刺激することによりインスリン分泌を促して血糖を下げます。以前は注射製剤のみでしたが最近になり飲み薬(リベルサス)が発売されました。副作用として吐気や下痢、便秘などの胃腸症状がみられることがあります。

食欲を抑える効果があり、体重低下作用もあります。ちなみにダイエット、美容目的で糖尿病でない方にこのお薬が自由診療で処方されているケースがありますが、安全性などが証明されていないとして日本糖尿病学会から適正使用を求める見解が出ています。

スルホニル尿素薬

アマリール(グリメピリド)、グリミクロン(グリクラジド)、オイグルコン(グリベンクラミド)、ダオニール(グリベンクラミド)

膵臓を刺激してインスリン分泌を促進します。長期間インスリンが薬の刺激により膵臓から分泌され続けるので、血糖値も下がりますが、下がりすぎる(低血糖)リスクもあります。このお薬を内服していて、空腹時に冷や汗をかく、ドキドキするなど具合が悪くなる場合は低血糖の可能性がありますので必ず主治医の先生に伝えてください。また体重が増えやすくなるので注意が必要です。

速攻型インスリン分泌促進薬

シュアポスト(レパグリニド)、グルファスト(ミチグリニド)、スターシス(ナテグリニド)、ファスティック(ナテグリニド)

スルホニル尿素薬と同じく膵臓を刺激してインスリン分泌を促進します。スルホニル尿素薬と違うのは短期間で効果が切れることです。これを利用して食後の血糖値をさげる目的で使われます。食事をする直前に内服していただくことで、インスリンが短時間だけ出るので食後の血糖のみを下げてくれます。

ビグアナイド薬

メトグルコ(メトホルミン)など

主に肝臓から放出されるブドウ糖の量を抑えることで血糖値を下げます。ほかにも体でのインスリンの効きを良くしたり色々な作用があります。注意する点として非常にまれではありますが乳酸アシドーシスという重い副作用が出ることがあります。腎臓や肝臓、心臓が悪い方、お酒を毎日たくさん飲む方、持病や加齢により体の具合が良くない方は重い副作用がでる可能性が高まるので、このお薬は避けることが多いです。またヨード造影剤を検査で使う場合には、このお薬は原則一時休止する必要があります。

SGLT2阻害薬

スーグラ、フォシーガ、ルセフィ、デベルザ、アプルウェイ、カナグル、ジャディアンス

尿から糖を出すことで血糖値をさげるユニークなお薬です。尿から糖が出るので体重も減少します。血糖を下げるだけではなく心臓や腎臓にも良い効果が得られることが分かってきており、最近になり、SGLT2阻害薬の一部の薬が心不全や慢性腎臓病の治療薬としても使用することが認められました。尿から糖が出るので、尿検査をすると尿糖が+になります。尿から糖が出るため1日の消費カロリーが増えて体重が数キロ程度減少します。ご高齢の方に使用する場合には体重とともに筋力も低下してしまうことがあり注意が必要です。ほかにも内服にあたり注意点がいくつかあり、使用される場合には主治医の先生によく確認してみましょう。

チアゾリジン薬

アクトス(ピオグリダゾン)

肝臓や筋肉に作用し、インスリンの効きを良くするお薬です。注意するべき副作用としてむくみがあります、心不全を起こした方には使用は控えます。

αグルコシダーゼ阻害薬

ベイスン(ボグリボース)、グルコバイ(アカルボース)、セイブル(ミグリトール)

食事をしたときの腸でのブドウ糖吸収をゆっくりにすることで食後の血糖値上昇を抑えます。このため食事の直前に内服が必要です。おなかの張った感じ、下痢、おならが飲み始めを中心に出ることがあります。

配合薬について

最近は上に述べた薬の中で、2種類が一個の錠剤に合わさった薬(配合剤)も発売されています。DPP-4阻害薬とビグアナイド薬、DPP4-阻害薬とSGLT2阻害薬が合わさった錠剤などです。メリットとして2種類の薬が1個の錠剤になっているので、内服薬を減らすことができます。

どのようにして飲むお薬を決めているのか

このように糖尿病の治療薬はたくさんあるので、何を最初に使うのかを疑問をもつ方もいると思います。日本ではまずはこのお薬から使いましょうといった決まりはありませんので何から使用するかも自由です。しかしだからといって何も考えずにお薬を選んでいるわけではもちろんありません。ざっくりした説明ですが、基本的には体重の多い糖尿病の方はインスリンは膵臓から出ているがインスリンの効きか悪くなっている(インスリン抵抗性増大)、逆にやせ気味の糖尿病の方は膵臓からのインスリン分泌が減っているケース(インスリン分泌能低下が多いです。血糖が高い原因がインスリン抵抗性増大かインスリン分泌能低下なのかをまず考えて、ほかに年齢、肝臓や腎臓の機能低下がないかどうか、合併症の有無などを総合的に考えて使用するお薬を決めています。

おわりに

糖尿病のお薬には色々あります。もし今飲んでいる薬に対して不安などあれば主治医の先生に相談してみてください。

 

参考資料

糖尿病治療ガイド2020-2021(日本糖尿病学会 編・著)

糖尿病 治療の手引き 2020(日本糖尿病協会 編・著)

糖尿病ビジュアルガイド(石井 均 著)

 

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