呼気一酸化窒素(NO)測定について
[2019.02.28]
〇呼気一酸化窒素(NO)測定とは?
息を吐いた時の一酸化窒素(NO)を測定する検査です。測定器のマウスピースを加えて約10秒間息を吐くことで測定できます。苦痛もなく簡単にできる検査です。
〇どんなことが分かりますか?
気管支ぜんそくの診断に非常に役に立ちます。
気管支ぜんそくの患者さんの場合、呼気NOが高値となります。日本人の成人健常者では呼気NO濃度の平均値は15です。ゼーゼーするなどぜんそくが疑われる症状があり、呼気NO濃度が22以上ならぜんそくの可能性が高く、37以上であればほぼぜんそくで間違いないと判断できます。
気管支ぜんそくは診断が意外と難しいです。ぜんそくの発作時には呼吸の際にゼーゼー、ヒューヒューと音がして息苦しさや咳が出ますが、心不全や肺気腫(COPD)など他の病気でも同じ様な症状がでることがあります。またぜんそくの発作が受診時には治まっていて診察室では異常がない場合も多いです。聴診やレントゲン検査、採血検査などに加えて呼気NO測定を行い数値を確認することで非常に診断に役立ちます。
またぜんそくで治療中の患者さんでは、呼気NOの数値をみることでぜんそくが落ち着いているのか、治療がうまくいっていないか判断することもできます。